第3回 露出防水のメリットの再確認と デメリットへの対処方法
とあるアンケートの結果によると、『“保護防水”は防水層の状態が見えない事がマイナスと感じていますか?』に対し、2:1の割合で「YES」との回答を得たそうです。“防水層の状態を目視で確認できる”必要性の高まりを実感できます。ただし、同時に露出防水を使う事の不安も聞かれています。そこで今回は、露出防水のメリットを再確認しつつ、デメリットの克服方法概要にも触れることとします。
劣化状態に応じた経済的な対処法を選択できる。
社員 | 露出防水の場合 | 保護防水の場合 |
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漏水している場合 | 防水層の痛み具合を目視で、確認できるため漏水要因を特定しやすく部分補修が容易になる。補修費用も最低限に。 | 痛み具合を目視できないため漏水要因の特定が困難。安全を期す場合は全面改修となり費用大。部分補修を選択する場合は、漏水要因の特定が推測であるため推測が外れると再補修を強いられる場合も。 |
漏水していない場合 | 目視で確認できるため、漏水していなくても防水層の、痛み具合を確認可能。劣化が進行していれば早期発見、早期補修で補修費用も最 小限に。逆に防水層が痛んでなければ安心して経過観察できる。 |
漏水するまで防水層が痛んでいるか否か判断つかないため漏水した際は計画外の出費となることも。また、局部劣化か全面劣化の判断がつかないため、局部劣化の場合は必要以上の費用を投入してしまうことも。 |
次のような課題があり、それに対応しないと上記メリットが活かせない。
- 下地水分が気化する際の水上気圧による防水層のふくれ
- 外部からの衝撃による防水層の破損
- 下地挙動に伴う防水層の破断
最も効果的なのは、異種防水材を組み合わせてデメリットの相殺を図った『複合防水』工法の採用。
特に上層部に液状材料(ウレタンやFRP)を使用すると、オーバーレイ(増し塗りで防水層を厚膜化、増強させる改修工法)が可能なため、低コストでの改修を実現。
LCC低減に有効。