第4回 防水の基礎 なぜコンクリートに防水が必要か
防水講座の第4回目は、防水の原点である、“コンクリートへの防水の必要性”についてポイントをまとめました。
ここが防水の出発点となりますので、ぜひ御一読下さい。
確かに、コンクリート自体はほとんど水を通さない
一般にコンクリートの透水係数は、ダルシーの法則に基づく式に実験値を代入し求められます。
コンクリートの透水係数=1~100×10-11cm/sec程度であるので、この最大値を採り、なおかつ10cm厚の屋根スラブコンクリート上に雨水が10cm溜まったと仮定しても、スラブ面積1㎡から漏れてくる量は1時間あたり、わずか0.04cc程度にしかなりません。つまりコンクリート自体はほとんど水を通さない物質と言えます。
しかし、ひび割れができると…
しかしコンクリートは硬化・乾燥に従い収縮する性質をもっています。だから、ひび割れや、 施工上の打ち継ぎ・コールドジョイントの発生が避けられません。
では一体どれくらいの収縮が生じるのでしょうか。これもきちんとした計算が可能です。一般に、コンクリートの硬化・乾燥収縮率=4~10×10-4程度とされており、単純に計算すると、5m幅のコンクリートで2~5mmも収縮します。
現実には鉄筋の拘束力が働くため、ひび割れは分散されますが、全てのひび割れを漏水しない大きさに抑えるまでには至りません。
そこで、どこに発生するかわからないひび割れの対策として薄い被膜でコンクリートを保護する、いわゆるメンブレン防水層による防水が主流になってきたのです。


